みんなの日本語 第3版で学ぶ東京生活|第2版との違い・教室外の勉強法・通学の拠点選び
文:Atsushi(葛飾区金町のゲストハウス「Bon House」ホスト)。2022年から運営し、これまで300組以上のゲストを迎えてきた。
みんなの日本語 第3版は、文法シラバスも全50課の構成もほとんど第2版のままだ。変わったのは会話場面の一部と表記、そして音声がCDではなくアプリとウェブで配信されるようになった点で、初級Ⅰ・初級Ⅱの本冊はどちらも1冊2,750円(税込)で発売中だ(2026年10月時点)。
東京の日本語学校に入ると、初日に渡される教科書がこの『みんなの日本語 初級』(スリーエーネットワーク刊)であることが多い。1998年の初版から続く定番教材で、初級Ⅰ(第1〜25課)と初級Ⅱ(第26〜50課)でN5〜N4レベルの文法・語彙・会話を扱う。この記事では第3版で何が変わったかを先に表で示し、そのあと東京で暮らしながらこの教科書を使い切る方法と、通学の拠点の選び方を書く。
みんなの日本語 第3版は何が変わった?第2版との違い早見表
| 項目 | 第3版の変更 |
|---|---|
| 文法・課の構成 | 大きな変更なし |
| 会話場面 | 第4・14・16・49課が新場面に |
| 表記 | 牛どん→牛丼、込みます→混みます など |
| 会話・問題の音声 | アプリ・ウェブで無料 |
| 文型・例文・練習A〜Cの音声 | 有料(1課220円〜) |
| 第2版 | 当面は販売継続 |
出典は出版社の第3版刊行のお知らせだ。新しくなった会話場面は、第4課が「大学の学食を訪ねる」、第14課が「避難訓練をする」、第16課が「プールを利用する」、第49課が「ミラーさんが松本正さんと再会し、近況を聞く」。第5課では「何で〜へ行きますか」の「何」の読みが「なん」から「なに」に変わった。
文法の順番が同じなので、授業についていくうえで第2版と第3版の差はほとんど出ない。困るのは音声だ。CDで聞く第2版の音声と、アプリで課ごとに買う第3版の音声とでは、聞ける範囲も買い方も違う。どちらの版を買うかは、入学前に学校に確認しておきたい。
東京の日本語学校とみんなの日本語|学校が集まるエリア
| エリア | 特徴 |
|---|---|
| 高田馬場(新宿区) | 日本語学校が多い学生街 |
| 新宿(新宿区) | 大型校が多く、路線も多い |
| 池袋(豊島区) | 中・大規模校が複数ある |
| 日暮里・西日暮里(荒川区) | 大手校があり、東側から通いやすい |
東京の日本語学校は新宿区から豊島区にかけての山手線西側に多い。ただ東側にも大きな学校はあって、たとえば赤門会日本語学校の校舎は荒川区の日暮里・西日暮里・三河島の駅の近くにある。教科書は学校とコースで決まるので、みんなの日本語を使うかどうかは入学前に学校に聞くのが確実だ。
みんなの日本語の勉強法|課の会話を東京の街でそのまま使う
みんなの日本語の会話は「日本で暮らし、働く外国人」の場面で作られている。だから東京に住んでいると、習った文型をその日のうちに街で使える。私はこれがこの教科書のいちばんの強みだと思っている。教室で覚えた文を、店や駅で一度でも通じさせると、次の課の覚え方が変わる。
課の会話タイトルと、東京で試せる場面の組み合わせはこうなる。
- 第3課「これを ください。」 → コンビニやパン屋で指差して買う
- 第5課「この 電車は 姫路へ 行きますか。」 → 駅のホームで行き先を確認する(姫路を自分の行き先に替える)
- 第13課「別々に お願いします。」 → 友人と入った定食屋で会計を分ける
- 第23課「どうやって 行きますか。」 → 駅員に乗り換えを聞く
第3版の音声アプリは通学の電車で聞く
第3版の会話と問題の音声は、無料の公式アプリ(『みんなの日本語 初級Ⅰ 第3版 音声』『同 初級Ⅱ』)とウェブで聞ける。文型・例文・練習A〜Cの音声は有料で、アプリなら1課220円、ウェブ版は25課まとめて5,500円だ。
まず無料の会話音声を、通学の電車で毎日聞くことから始めたい。聴解は耳を慣らした時間がそのまま点に出るので、早く始めた人ほどJLPTで有利になる。有料部分は、練習Bの口頭ドリルで詰まる課だけ買えば足りる。
JLPTの模擬試験でみんなの日本語の進度を測る
一般に、初級Ⅰ(第1〜25課)を終えるとN5、初級Ⅱ(第26〜50課)を終えるとN4が視野に入ると言われる。ただ、教科書を終えたことと試験に受かることは別だ。初級Ⅰが終わったらPassJapaneseのN5模試、初級Ⅱが終わったらN4模試を、時間を計って通しで解いてみてほしい。どちらも無料で、音声付きの本番形式だ。
日本語学校に通う東京の住まい選び|通学時間で決める
毎日通うなら、住む場所は学校からの通学時間で決めたい。片道30分を超えると、予習と音声を聞く時間が削られていく。
高田馬場や新宿の学校に通うなら、中央線沿いの中野・高円寺・荻窪あたりが新宿まで15分以内で、通学の負担が軽い。正直に書くと、こちらの学校に毎日通うには金町は遠い。金町から新宿へは千代田線と山手線を乗り継いで約45分かかる。
逆に、日暮里・西日暮里・上野周辺の学校なら金町は現実的な拠点になる。常磐線各駅停車は綾瀬から千代田線に直通するので、金町から西日暮里まで乗り換えなしで行ける。上野までは北千住乗り換えで27分、253円だ。京成もJRも金町ではクレジットカードのタッチ乗車に対応していないので、通学にはSuicaかPASMOを用意しておく。
金町から通う4週間はこうなる
たとえば、日暮里周辺の日本語学校の4週間コースに金町から通う人なら、平日はだいたいこう過ごす。朝は常磐線各駅停車に乗り、西日暮里まで乗り換えなしで向かう。車内では、その日に習う課の会話音声をアプリで2〜3回聞いておく。
放課後は金町駅から約100mの、24時間営業のマルエツで弁当や惣菜を買い、部屋の電子レンジで温める。洗濯は部屋の洗濯乾燥機に任せて、その間に練習Bを声に出して1周する。第13課を習った週の週末なら、京成金町から1駅、2〜3分(146円)の柴又へ行き、帝釈天参道の店でクラスメートと「別々に お願いします」を使ってみるといい。
Bon Houseを通学の拠点にする場合
Bon Houseは金町の戸建ての中にある個室のゲストスペースで、畳の部屋に布団が4組、専用の風呂とトイレがある。キッチンはない。部屋にあるのは冷蔵庫・電子レンジ・電気ケトルなので、自炊はできず、食事はスーパーの惣菜と外食が中心になる。そのかわり、洗濯乾燥機、高速Wi-Fi、セルフチェックインがあり、長期滞在に必要なものはそろっている。
東側の日本語学校の短期コースに通う間の宿を探しているなら、Bon Houseの料金と空き日程をroomページで確認してから、学校の申し込みを進めてほしい。
まとめ|みんなの日本語 第3版は東京の街で使って身につける
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 第3版の変更 | 会話場面・表記・音声の配信方法 |
| 文法と課の構成 | 第2版とほぼ同じ |
| 無料の音声 | 会話・問題(アプリ・ウェブ) |
| 進度の確認 | 初級Ⅰ後にN5、初級Ⅱ後にN4の模試 |
| 住まい | 学校まで片道30分以内 |
みんなの日本語は、日本で暮らす外国人の場面から作られた教科書だ。東京に住んでいれば、その場面は毎日の生活の中にある。教室の外で習った文を使った回数が、上達の速さを決める。
日暮里・上野方面の学校に通う予定で、静かな住宅街に拠点を置きたいなら、Bon Houseの部屋の様子と空室状況を見てから滞在の日程を決めてほしい。
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よくある質問
みんなの日本語は第2版と第3版のどちらを買えばいい?
学校に通うなら、その学校が指定する版を買う。独学で今から始めるなら第3版がいい。第2版も当面は販売が続くが、会話場面や表記が新しいのは第3版で、音声もスマートフォンだけで聞ける。
みんなの日本語は独学でも使える?
使える。ただし本冊は日本語だけで書かれているので、独学なら別売りの「翻訳・文法解説」(1冊2,200円、税込)が必要になる。第3版の翻訳・文法解説は英語・中国語・ベトナム語・ネパール語・シンハラ語・ミャンマー語版が出ている。
みんなの日本語 第3版の本冊はいくら?
初級Ⅰ・初級Ⅱの本冊はどちらも2,750円(税込)。独学で必要な翻訳・文法解説を加えると、1レベルあたり4,950円になる。