東京の初詣2027|混雑を避ける時間帯と穴場・柴又帝釈天

文:Atsushi(葛飾区金町のゲストハウス「Bon House」ホスト)。2022年からBon Houseを運営し、迎えたゲストは300組を超える。

東京の初詣でいちばん人が集まるのは明治神宮だ。三が日の参拝者は300万人を超え、年が明けた直後は賽銭箱にたどり着くまで2時間ほど並ぶ。一方、東京の東側にある柴又帝釈天は同じ3日間で200,000〜250,000人。しかも元日の朝7時は、2つある混雑の波のちょうど谷間にあたる。
どちらに行っても初詣は初詣だ。ただ、元日の残りをまるごと自由に使えるのは片方だけだ。
Bon Houseのある金町は、柴又から電車でひと駅。毎年冬になると、ゲストから同じことを聞かれる。「年越しの明治神宮に行くべきか、もっと近くで済ませるか」。この記事はその問いへの私なりの答えであり、有名どころ2つを行列で1日つぶさずに回る方法でもある。
東京の初詣|混雑のピークと空いている時間帯
| 寺社 | 三が日の参拝者(目安) | 金町から | 空いている時間帯 |
|---|---|---|---|
| 明治神宮 | 300万人以上 | 約40分 | 1月2〜3日、6:40の開門直後 |
| 浅草寺 | 280万〜300万人 | 25〜30分 | 1月1日 6:30〜8:00 |
| 柴又帝釈天 | 200,000〜250,000人 | ひと駅、2〜3分 | 1月1日 2:00〜9:00 |
参拝者数は国内の旅行サイトに載っている例年の目安だ。警察による公式発表は2009年を最後に行われていない。
初詣は三が日のうちに行けばいいもので、年越しの瞬間にこだわる必要はない。2027年の元日は金曜日なので、2日と3日は土日にあたる。平日と重なる年に比べ、この2日間は日中の人出が増えると見ておいたほうがいい。
柴又帝釈天の初詣|金町からひと駅の穴場
柴又帝釈天(正式には題経寺)は1629年創建の日蓮宗の寺で、映画『男はつらいよ』の舞台として全国に名が通っている。正月はそれなりに混むが、人出は明治神宮の10分の1にも届かない。
混雑の波は2回来る。1回目は12月31日の23:30ごろから1月1日の1:30ごろまでで、除夜の鐘と年明け最初の参拝が目当ての人たちだ。2回目は三が日それぞれの9:00〜16:00ごろ。その間、元日の2:00〜9:00ごろは境内がすっと空く。16:00以降の夕方も落ち着いている。
ゲストに勧めているのは元日の朝7時だ。日の出は6:50ごろなのでもう明るく、参道の店もぽつぽつ開きはじめる。2回目の波が来る前に戻って、ゆっくり朝ごはんを食べられる。
もうひとつの楽しみが参道だ。柴又駅から山門までの200mに、草団子やせんべいを売る昔ながらの木造の店が並び、正月は1年でいちばんにぎわう週になる。昼前まで開かない店もあるので、朝7時に行けば先に参拝を済ませ、帰り道に団子を買う順番になる。正月以外の食べ歩きは柴又観光の記事にまとめた。
金町からは京成金町線でひと駅、2〜3分、ICカードで146円。2026年の正月は、京成が1月1〜3日に金町線を増発し、10〜12分間隔で走らせていた。京成はクレジットカードのタッチ乗車に対応していないので、SuicaかPASMOを用意しておくこと。歩くなら25〜30分で、江戸川沿いの道を選ぶと気持ちがいい。
浅草寺の初詣|元日の夜明けが狙い目
大きくて名の知れたお寺に行きたいなら、東京の東側からは浅草寺がいい。三が日の人出は2.8〜3百万人にのぼるが、境内が広く、仲見世の参道も人が流れ続けるので、明治神宮ほど身動きが取れない感じはしない。
ここも年越しの時間は外したい。元日の混雑のピークは0:00〜3:00と11:00〜15:00。代わりに元日の6:30〜8:00に行くか、2日・3日の17:00以降を狙う。除夜の鐘を聞きに来た人が明け方まで残っていることもあるので、夜明けは「空いている」ではなく「落ち着いている」くらいに考えておくといい。
金町からはJR常磐線で北千住へ出て、つくばエクスプレスに乗り換えて2駅で浅草。全部で25〜30分だ。境内の回り方や作法は浅草寺の記事で詳しく書いている。
明治神宮の初詣|年越しの大行列を避けるなら
明治神宮は12月31日から1月1日にかけて夜通し門を開けていて、2時間待ちの行列ができるのはこの夜だ。元日の日中のピークはおおむね11:00〜15:00。
狙うなら2日か3日の開門から1時間。2026年の正月は、この2日間が6:40開門、18:30閉門だった。2027年の時間は12月下旬に発表される。金町からは常磐線各駅停車が東京メトロ千代田線に直通しているので、乗り換えなしで明治神宮前〈原宿〉まで約40分で行ける。
それでも年越しに行くなら、帰りの足を先に決めておくこと。2025〜26年の年末年始、JR東日本は山手線や中央・総武線各駅停車など6路線で終夜運転をしたが、常磐線は含まれず、東京メトロも終夜運転をしなかった。金町へ戻るには、山手線で日暮里へ出て、京成が終夜運転した普通列車で京成高砂を経由するルートになった。運転間隔は20〜50分だった。2026〜27年の計画は例年12月上旬に発表され、出たあとは乗換アプリにも反映される。
初詣の作法|神社とお寺でここが違う
手順は短く、多少ぎこちなくても誰も気にしない。
- 鳥居や山門の前で一礼してから入る。参道の真ん中は避け、端を歩く。
- 手水舎では左手、右手の順に清め、最後に左の手のひらに水を受けて口をすすぐ。柄杓に直接口をつけないこと。手水をやめているところもあるので、前の人にならえばいい。
- 賽銭箱にお賽銭を入れる。「ご縁」にかけて5円玉が定番だが、誰も確かめはしない。
- 明治神宮のような神社なら二礼二拍手一礼。帝釈天や浅草寺のようなお寺では拍手は打たず、手を合わせて願い事をし、一礼する。
- 参拝のあとはおみくじを。凶が出たら、用意された結び所に結んで置いていく。
覚えておくべきは、神社とお寺の拍手の違いひとつだけだ。お寺で手を叩くと、慣れていないのが一目でわかる。
正月の東京で開いている店・閉まる店(1月1〜3日)
意外と見落とされがちで、行列よりもこちらのほうが旅の予定を狂わせる。
休業・時短になるもの: - 個人経営の飲食店の多く。12月31日から1月3日、またはそれ以降まで - 六義園、小石川後楽園などの都立庭園。12月29日から1月1日まで休園(前シーズンは1月2〜3日に正月開園があった) - 小さな商店や地元の商店街の多く - 郵便局と銀行
営業しているもの: - コンビニ。ほぼすべての店が期間中ずっと開いている - 大手百貨店。たいてい1月2日から初売りで、福袋もこの日から - チェーンの飲食店、ファミレス、ラーメンチェーンの大半 - 電車。期間中の大半は土休日ダイヤで動く
落とし穴はスーパーだ。金町駅から約100mのマルエツは普段24時間営業だが、ここ数年は12月31日に営業時間を短縮し、1月1日はほとんどの店舗が休業している。12月下旬に入口の貼り紙を確認し、まとめ買いは12月30日に済ませておくといい。31日には正月用の食材が売り切れ、棚が空になってしまう。
冷蔵庫と電子レンジと電気ケトルが本領を発揮するのは、この週だ。 Bon Houseにキッチンはないが、1月1日と2日に飲食店が閉まっていても、12月30日に冷蔵庫を満たしておけば、3食続けてコンビニのおにぎりではなく、温めた弁当やカップそばで過ごせる。帝釈天までひと駅で、こうした設備がそろった部屋を正月の拠点にしたいなら、部屋の詳細と年末年始の空き状況はこちらで確認できる。
金町で過ごす東京の正月|三が日のモデルプラン
金町に泊まる4人家族の正月は、だいたいこんな流れになる。
12月30日。 マルエツで買い出し。弁当、果物、2日分の朝食用のパン、飲み物。全部冷蔵庫へ入れる。
12月31日。 夕食は年越しそば。閉店前に地元のそば屋で食べるか、コンビニのカップそばを部屋の電気ケトルで作る。帝釈天では0時から除夜の鐘がつかれるが、鐘をつけるのは事前に申し込んだ108人だけ。翌朝6:30に起きなければならない子どもがいるので、この家族は見送って早めに寝る。
1月1日 7:00。 京成金町駅まで歩いて7〜10分、ひと駅で柴又へ。8:00前には参拝を済ませる。帰りに店が開いていれば参道で団子を買い、9:30には宿に戻る。都立庭園はまだ閉まっているので、午後は休むか江戸川沿いを散歩する。
1月2日。 早朝の浅草寺か、百貨店の福袋。どちらも混むが、普通に回れる程度だ。都立庭園はこの日から開くことが多い。
1月3日。 家族の中に有名どころへ行きたい人がいれば、開門直後の明治神宮へ。あるいは水元公園。開いていて無料、静かで、1月は越冬する水鳥でにぎわう。
3日間で寺社を3つ、どれも空いている時間帯に回り、深夜2時の原宿で立ち尽くす人は誰もいない。この日程が合うなら、Bon Houseの部屋を見て、年末年始の予約を入れてほしい。周辺のことは金町ガイドと金町からの日帰り旅行も参考になる。
東京の初詣|よくある質問
初詣はいつまでに行けばいい?
1月の最初の1週間なら、その年はじめての参拝はどれも初詣と考えていい。東京周辺では1月7日までが松の内で正月飾りもそのまま。神社の正月の授与所もこの週いっぱいは開いている。
年末年始に東京観光をする価値はある?
寺社めぐりや福袋の初売り、車が減って静かになる3日間の東京を味わいたいなら行く価値がある。飲食店や美術館・博物館ありきの旅なら、やめたほうがいい。美術館・博物館の多くは1月1日前後に数日休館し、個人の飲食店は4日まで閉まっていることも珍しくない。すべてが開いている東京を見たいなら1月中旬がいい。
海外からの友人を初詣に連れて行っても大丈夫?
まったく問題ないし、誰も変に思わない。神道や仏教の信者でなくても、お参りもお守りを受けるのもおみくじを引くのも自由だ。大きな神社やお寺では、正月のあいだずっと初めて参拝する人の対応に慣れている。
元日の早朝の東京はどれくらい寒い?
氷点下近くまで下がる。東京の1月の平均最低気温は約1°Cで、しかも屋外でじっと並ぶことになる。帽子と手袋、コートの下に暖かい1枚を。5円玉を何枚か、手袋をしたままでも取り出せるポケットに入れておくといい。
最終更新:2026年10月。参拝者数は例年の目安で、公式発表ではない。開門時間と年末年始の運行計画は2025〜26年シーズンのもの。2026〜27年の詳細は12月に各寺社・鉄道会社で確認してほしい。